2. 家屋倒壊判定モジュールを用いた土石流シミュレーションの実行方法
本章では、家屋倒壊判定モジュールを用いた土石流シミュレーションの実行方法を説明します。
家屋倒壊判定モジュール組み込み版のソルバexeへの切り替え
最初に、iRICのGUIで呼び出されるMorpho2DHのソルバを家屋倒壊判定モジュール組み込み版に切り替える必要があります。
- まずフォルダ
C:\Users\[ユーザ名]\iRIC_v4\private\solvers\iRICsolvers_Morpho2DH
を作成します。[ユーザ名]
は、PCによって異なります。 - morpho2DH_PK12.zipを
解凍して得られる
definition.xml
とmorpho2d.exe
とtranslation_ja_JP.ts
を1.のフォルダのコピーします。 - 下図のように、iRICを起動して家屋倒壊判定モジュール組み込み版ソルバ
Morpho2DH PK12
を選択して新規プロジェクトを作成し、ウィンドウタイトルにMorpho2DH PK12
と表示されていれば、正しくソルバが切り替えられたことになります。
Warning
C:\Users\[ユーザ名]\iRIC_v4\solvers\iRICsolvers_Morpho2DH
というフォルダ(private
がフォルダパスにないもの)がありますが、
これはオリジナルのソルバですので、間違えて上書きしないようにしてください。
建物耐力の設定
前述の方法で家屋倒壊判定モジュール組み込み版ソルバMorpho2DH PK12
を選択して新規プロジェクトを作成し、以下のように建物耐力を設定します。
建物耐力設定以外の操作は、1. オリジナルiRIC Morpho2DHの使い方をご参照ください。
- ①メニュー「計算条件」⇒「設定」を選択肢、「計算条件」ウィンドウを開く
- ②左のリストから「建物」を選択
- ③「建物破壊」を「使用する」とし、「編集」ボタンを押して「建物倒壊応力」ウィンドウを開く。
- ④左側テーブルのコード1の行の「限界破壊応力」に、建物耐力の数値(kN/m)です。GUIの表記は誤記ですので注意してください。今回は500kN/mと入力してください。
- このパラメータは木造建物の基本的な耐力を設定する数値ですが、500~800kN/m程度にすると、既往の実被害の再現度が高くなることが分かっています。 この数値の妥当性・物理的意味については今後検証していく必要があります。
- コード7の行の「限界破壊応力」の数値は4000kN/mのままで構いません。RC造建物等の倒壊する可能性が低い建物の想定ですので、大きな数値を設定しておけばよいです。
シミュレーションの実行
建物耐力の設定以外は、 シミュレーションの実行方法・結果の確認方法含めてオリジナル版と同じですので、 1. オリジナルiRIC Morpho2DHの使い方をご参照ください。
計算が完了し、建屋の破壊状況を可視化すると以下のような結果となります。(緑色が倒壊・赤色が非倒壊)